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女性のキャリア意識と、若年者のキャリア志向
(2009年6月24日)

平成21年版「男女共同参画白書」には、仕事に就いている女性のうち51・9%が「10年後、より高い職責にあるとは思わない」と回答。男性の31・1%を大きく上回り、女性がキャリアアップを見通せない現状が浮き彫りになった、という記事が産経新聞にあった。記事は続けて、女性の65・2%、男性の58・9%が「女性は男性に比べて能力向上の機会が少ない」と回答した。その理由として、会社などの「組織風土」や「女性は途中退職する場合が多いため」を挙げる人が多かった。女性が能力を発揮するために行政に期待することでは、男女とも「仕事と生活を両立しやすい環境づくり」「育児等で離職した女性に対する支援の拡充」が上位を占めた。となっている。何年も前から同じようなことがずっと言われ続けているように思う。
ちなみに内閣府の資料に、こんなものがあった。「OECD諸国のデータによれば、1970年時点では、女性の労働力率の高い国ほど出生率が低いという傾向にあったのに対し、2000年時点では、女性の労働力率が高い国ほど、出生率が高いという傾向がみられた。このことから、労働力率と出生率は、どちらかが上がれば他方も上がるという固定的な関係ではなく、社会環境(施策、制度、価値観等)が両者に関係しているとみられる。」
そのうえで同資料では、「この20年間に女性労働力率を上昇させながら出生率も回復してきている国の社会環境には、男性を含めた働き方の見直しや保育所整備等の両立支援、固定的性別役割分担意識の解消や男性の家事・育児参加、雇用機会の均等などが進んでいるという特徴がある。」
結論が出ているなら早くやれば、という感じであるが、そうした制度の整備とは別に、おそらく僕が知る限りにおいて今の日本の多くの地域では、男女とも10代など若年層のキャリア志向という概念が浸透していないように思う。
実際、キャリア教育の導入部を、そこそこの進学校で高校2年生になる僕の姪に与えてみたところ、1時間半にわたってポカ~ンとされてしまった。かえってくる答えの多くは「はあ」とか「まあ」。これにはまいったが、ことほどさように他の高校においても、個人差、学校差はもちろんあるが、男女とも多くがキャリア志向がなさすぎ、もしくはリアリティがありすぎるようである。ここでのリアリティとは、「とりあえず進学」とか「近所で」とか「○○の資格でも取って」とか、まあリアリティがないとも言えるが・・・。
自分の経験からすれば、周囲と違うようなキャリア志向を口に出すのは恥ずかしいという部分もあるかもしれない。だが強い志向を持たなければ、そのうち「なんとなく」と考えていたリアリティに覆い包まれて、キャリアアップを見通せない社会に流されてしまったとき、ようやく問題提起をすべき状況に気づかされるということもあると思う。特に女性は、核家族化が進む現状では特にハンディがあるわけで、先の資料にあるような社会や企業の環境整備は重要であろう。ただし、なんでもかんでも社会システムの責任にせず、自己防衛の観点からも自分のコンピテンシーを社会に入る前に見極めておく教育的プロセスの必要性も、社会はきちんと考えるべきであろう。

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